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016『ひらいて』
綿矢 りさ
新潮社
(2012-07-31)

015を飛ばしてます。

綿矢りささんのことをよく知らないで好き勝手言うのはおかしいを思うけれど、こうして世間に向かって作品を出している以上、作品にしか手がかりがないので、申し訳ないけれど勝手に想像させてもらいます。

今まで数冊綿矢作品を読んできて、この人の内なる暗さが自分にも身に覚えがあるもので、登場人物たちが心の中でつぶやく他人への罵詈雑言は読んでいて爽快だった。
だからそういう暗さが中毒で、なんだか他の作品も読みたくなる。
次はどんな表現でこの混沌としたドロドロを表現してくれるのかな、って。
わたしは、この人(作者)いつも作品の中で日々のドロドロを吐き出して、それをもとに物語を展開しているんじゃないか、と想像しています。違っているかもしれない。でもそう感じた。
だから元はといえば、喜怒哀楽の「怒」と「哀」の感受性がやたら強いのではないか。でもそれを社会のなかでひた隠すために創作しているんじゃないかと。そんなことまで考えてしまうよー。

今作はぶっ飛んでいて、今までで一番わけがわからなかった…
ひとりの女子高校生が、同じクラスの男子に恋をして、その男子には彼女がいて、って最初のあらすじだけたどるとなんてことのない、よくあるお話の一節なのになぁ。
相変わらず、説明のつかない気持ちに的確できれいな表現をしていて、そんな綿矢節は健在で素敵だったのですが、途中からの展開に思わずコーヒー吹いた。
どうした!?と。

これを、純文学と称する人もいるし、哲学的だと感じる人もいるみたいだけれど、暴走した凧がどうにもならなくなって空に向かって消えてしまったみたいな感覚に陥って、わたしはどうにも何も掴めなかった。
全部作者がやってみたかったこととか内なる欲望とか、そういったものをごちゃまぜにして自分で化学反応を楽しんでるような、ひとり遊びの香りがする。
時折挟まれる聖書の一節や戯曲の『サロメ』も、繋がりがわかるようで、わからないというか…
好き嫌いがわかれるような気もするし、受け入れられない自分にこそ欠陥がある気がしてしまう不思議。


わたしの感想は、一言「怖い」。
うまく言えないけれど、この本、怖かったです。

JUGEMテーマ:読書
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「ひらいて」綿矢りさ
やみくもに、自分本位に、あたりをなぎ倒しながら疾走する、はじめての恋。彼のまなざしが私を静かに支配する――。華やかで高慢な女子高生・愛が、妙な名前のもっさりした男子に恋をした。だが彼には中学時代からの恋人がいて……。傷つけて、傷ついて、事態はとんでも
| 粋な提案 | 2013/11/22 3:36 PM |