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026『ナラタージュ』
何度目かの再読。が、レビュー見当たらずー。

『ナラタージュ』は等身大でフツウで好きな作品です。
高校生のときにとあるきっかけで親しくなった葉山先生のことが、有り体にいってしまえば「忘れられない」でいる大学2年生の時期を振り返っているというストーリー。
「ナラタージュ」という言葉の意味が、「映画などで、主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること」らしいです。(本書カバーより)

心を置いてきたまま今に順応しようとすると、うまくできているようでも必ず周りとのあいだに歪みが生じてしまう気がする。
小野くんの心の闇や態度の豹変は恐ろしいものだけれど実際にこういう人はたくさんいると思うし、(事実昔付き合った人もこういうところがあったし)その上に微妙なバランスで成り立つ普通のやり取りが、妙にリアルで感じ入れるのかも。
葉山先生のような人を好きになってしまった人だって現実に少なくないのではと思う。

どんな人だって傷を持っているし、そういうのを内包したまま人を好きになったっていいのだし、うまくいかないときはいかないし、要は自分がどんなふうに傷を取り扱えるかだよね。


* * *
この作品でいったん読書をストップして転居準備(と3DS)に専念したいと思います!
次のレビューは、きっと新しい図書館で借りた本になるのだろうな。
今利用している図書館は、古くて蔵庫も少なく、夜間は開いていないので不便さはあったけれど、小さい頃から使っていた図書館だったので懐かしかったし落ち着くし好きな場所でした。
さみし。

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025『銀河不動産の超越』
2008年12月26日の記事

前回はハードカバー、今回はノベルス版を。
ハードカバーの装丁が好きだったのでノベルスを見て表紙、イラストだ!!と違和感があったのだけれど、再読後に見返すと、人物像の描かれ方がとても上手だなぁ!!と。

どなたかがレビューで書かれていたのですが、この話は幸福論のお話だと思う。
就職、出会い、転居、出会い、
いろいろなきっかけと自分の周りの環境で作られていく幸福のお話。
自分も環境が移り変わる時期だったのもあって、今このタイミングで読みたいと思って借りてきました。

新生活が少しでも良いものになりますように。

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024『兎の眼』
今年は昔読んだ本を読もう、と思っています。
で、まず中学受験のあたりで読んでいた妹尾河童の『少年H』や氷室冴子の『いもうと物語』を読もうと思っていたのだけれど、図書館でふと灰谷健次郎が目に入って。

灰谷健次郎作品、中1のときに国語でしょっちゅう課題になって、何冊か読みました。
特に読書感想文の課題図書になったりしていたなぁ。

でも当時は、道徳!って感じの内容を敬遠していたり、ひじょうに読書感想文の上手な子がいてその子が灰谷ファンだったりして、避けて通ってきてしまっていて今になってその過去が気になって。
読書感想文はわたしも当時は得意だったから校内の大会や角川の賞もらったりしていたのだけれど、その子にはかなわないと思ってしまった。そら最優秀賞とるわ!ってくらいの子だった。
だからその子が題材にする作品では勝てないな、とでもきっと思ったのだな。浅はか!

* * *

当時は作者の背景なんてちっとも考えなかったし、難しいカタカナがいっぱい出てくる知らん人のあとがきなんて読まなかったけれど、灰谷健次郎さんて小学校教師だったのね。
27歳にして初めて知る事実。

舞台が小学校なのがうなずける。
先生と生徒の葛藤と成長もの、といったら簡単だけれど、
なんだろう。
知恵遅れのような児童の描写や、ゴミ処理場付近で暮らす子ども、ハエを育てる鉄ツン…
今だったら、たちまち批難ごうごうになりそうな題材たちをやさしくまとめあげている。
わたしたちのような若い世代は絶対にわからない戦争の悲惨さや戦後の素朴な様子、貧しさ、そういうものらが背景に揺るがなく存在していることが、とても大きいのだと感じました。

この作品を読んで何も感じないような大人にはなりたくないなと思った。
大人になってまた読むことができてほんとうに良かったな。

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023『月は幽咽のデバイス』
Vシリーズは、すかっと解決しないものが多いのかな?
S&Mの方が考え甲斐がある気がするのはわたしがど素人だからでしょうか。
一応の解決編はあるけれど、それは一説であって本当のところが…
オスカーとは一体なんだったのか

1作目、2作目とやられたのでその点については気をつけてみました^^*

今回の見所は「れんちゃん」こと小鳥遊練無のアクションシーン(?)かな!
もっと活躍してほしい!
個人的にはぼやっとした森川くんも好きなのだけれどねー
(隠すところかわからないけれど反転してみた)


タイトルが素敵だと思う。


ミステリ的な要素が「???」だったので、感想が貧弱です。
なぜだろうと考えていたら、トリックは考える余地はあるのだけれど(わからんけどね!)登場人物たちの関係や人となりがイマイチわからなかったからかもしれないなーと。
だって、篠塚宏邦、兼元智恵子、桜井彰信、吉澤貴浩、神部和明、歌山佐季、岸田毅、村野多恵子、ここらへんの人たちの個性がほとんど描写されなかったよ!
ここらへんがページの薄さなのかな。


とりあえず屋敷の雰囲気といいホーンテッドマンションを思い出しました。

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022『生まれる森』
島本理生の恋愛小説は好きです。
以前読んだものの再読なので過去の感想探したけれど、読んだのはmixiで感想書き始める前のことだったよう。

とても分量が少なくて物足りないと思いながらも、この時点ですでに安定感のある島本さんの重くて浅い空気を感じられてわたしは嫌いじゃないです。
物語なんてどこで区切ったっていいのだよ。
オチなんてなくったっていい。

サイトウさんという予備校の先生との終わった恋がいつまでも自分を蝕んでいて、なかなか気持ちが戻ってこない大学生の話。
その子が心に抱える暗澹とした、でもちっとも具体的じゃない感情は、きっと身に覚えのある人も多いと思う。
正直、何かすごいことが書かれているわけじゃない。って言ったら失礼だけれど、事件がおこって解決するわけではないし、感動するものでもない。
ただ微妙な感覚の類似や共感がとても多くて、文章の書き方も好きで。

引っ越したらついに本棚を導入しようと考えていて、そうしたら島本作品も並べたいな。
ひとりになってなんとなく宙ぶらりんな夜に、何も考えずにどれかの本を手にとって、たまたま開いたページを少しずつ読みたい。わたしにとってそういう作家さんです。

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021『相田家のグッドバイ』
「相田家のグッドバイ」
まさにタイトル通りの内容でした。

エッセイや各所で語られてきた森さんの経験や記憶のようなものが集積して、両親の話、子どもの頃、そして両親が亡くなり、その後の心境の変化まで小説として綴られています。
『つぶやきのクリーム』を読んだ直後だったし、実は『工作少年の日々』を愛読書にしていたりするので、今作に描かれていることはほぼノンフィクションなのではないかと思います。真相はわからないけれど。

お兄さんにあたる人を小さい頃に亡くしていること、
ドイツ製の高いニッパをお母さんがデパートで買ってくれたこと、
大きな怪我の絶えない少年だったこと、
お父さんが製図板を使って電車の模型を作ってくれたこと、
昔買っていた犬、
在学中に結婚を決めたこと、
子どもができたタイミング、
お父さんのために毎日スーパーで食料を買って届けていたこと、
お墓を作らなかったこと、
家をそのまま壊してしまったこと…

うん、わたしの中ではノンフィクションです。
そして、たまたまわたしもお見舞いのために病院通いをした相続手続きや改正原戸籍などの取り寄せがとてつもなく面倒だったタイミングだったので、感じ入って読めた。
ほんとうにね、書類取り寄せるだけで結構お金使ったの!
わたしは数万には達しなかったけれど、5,000円以上10,000万以下は間違いなく自腹を切っている。

それに、晩年の会話とか。
自分の場合は相手が「親」ではなかったので、ディティールはもちろん違うのだけれど。
そういう別れを経験し、手続きを経験し、少しだけおとなになった今読んだからこそ、感じ取れるものが多かった。

何度かうるっときてしまった。森さんの本では珍しい。

森さんにとって、両親は本当に大きい存在だったのだな。
そして両親を亡くして、いろいろな思いを感じ入ることになったのだな。
人って育った環境でほんとうに多種多様で、変わっているなぁと思う人や友だちになれないと思う人もいるけれど、それぞれにメソッドがあるのだね。
軸を持って生きていけば、多少周りと違ったって、まぁいっか。
そう思えました。

今まで垣間見てきた森さん像のルーツを知れたと思います。
2012年2月に発売されたものなので、まだ新刊の部類だと思うのだけれど、生活が落ち着いて文庫が出ていたら手元に置いておきたいなと思いました。

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020『詩的私的ジャック』
2009年01月19日の記事

大学時代までの数にものを言わせる読書方法をやめたから、よく考えながら読むようになったけれど(←当たり前のことを言っている虚しさ)、わたしは「ミステリ小説」が好きなわけではないのだな、と感じました。
トリックがすごかろうがすごくなかろうが、別に関係ないや。
そこで本の評価や作者へのイメージが大きく変わるわけではなさそうだ。
最近の気付き。

というわけで、トリックには思うところはあまりありません。
物語をそのまま受け入れて読んだままの感想では、確かに犯人は真っ白なノートについた汚れが嫌でたまらなくなって、そのページをページごと破り捨てたんでしょう。
そういう潔癖者だったし、理路整然を愛し、緻密に計算を重ねていたってことがわかったから、それでいいか、と思う。
ただ、前に読んだときも書いていたように、「被害者の服に関する趣味については、ちょっと無理があった気がします。」


シリーズを読み返していて、前にはなかった気付きがあることや、言葉のチョイスに感じ入ることができることが面白い。
例えば諏訪野さん萌え!とか。げふんげふん

今回は、犀川先生と篠崎さんの、「最後の20セント」での言葉の応酬がとても好きだと思った。

あと、ノベルスのp.234にあった、男女比較の表現が森さんらしくて好きだと思った。
森さんらしさというか、的を射ているからだな。
女性は比熱が低くて(周囲の人間の影響をすぐに受け入れることができる)
男性は熱容量が大きい(なかなか変化できず、だんだん影響を受けるが、元に戻るのに時間がかかる)
そんな傾向があるってね。


今回はネタバレするような感想はなさそうです。
特に印象に残るような作品ではなかったけれど、再読して好きになりました。
今シリーズ内で次に機会があれば読み返したい作品の1つです。

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019『つぶやきのクリーム』
森博嗣のつぶやき100選に解説見開き1ページという構成。

わたしは小説や物語の中身よりも、作家さん自身を好きになってしまうことが多く、例えば作家さんが読んできた本とかみてきたもの、撮った写真など、日常を垣間見るのが好きです。
だからエッセイとかこういったつぶやきとか、結構好き。
小説の面白い・面白くないにムラがあったとしても、作家を好きだというフィルターがあるから、ちょっとやそっとじゃ作品離れできない方だと自己分析してます。

『つぶやきのクリーム』は、具体的でリアルタイムなことではなくて、いつのときも通用するようわざと抽象的に書かれている、といったことが書かれているように、確かに抽象的。
ちょっとくどいんじゃないかってくらい世間の反応の遅さを揶揄している印象でしたが、中身でも触れられているようにご本人からしたら「今まで何度も言ってきた」ことであるんだな。
それを選りぬくとこういった感じになるのか、ということ。


2011年に発刊されたものなので、もう大学も辞めて隠居状態に入っているので、まぁそうか。いくら森さんがああいう人とはいえ、まとう空気が変わってもおかしくないですね。

『MORI LOG ACADEMY』なども数冊しか読んでいないから既出かどうかわからないのだけれど、ご両親が亡くなっていたことや、毎日会いに行っていたこと、毎日ダイエーに通ったこと、あと小さい頃にお兄さんを亡くされていること、そういったことをわたしは初めて知って、そういうところにとても人間らしさを感じ取れた。印象的だった。
奥さんと結婚したのが24歳、就職と同時で、そのあと子どもが生まれてーっていうところに、なんてことないことなのに心が動く。

理解できない考え方やくどいと感じる揶揄、そういった難しそうに見える表面を森さんだと認識しているけれど、それはイメージでしかないと改めてわかった一冊。

通して読むのはちょっときつかったです。(わたしだけ?w
ぱらぱらっとめくって目についたページだったり、おっと思うつぶやきの解説を読めば十分な本だと思う。

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018『人形式モナリザ』
Vシリーズ2作目。

2作目にすすめてやっとシリーズに入れたなぁという感じ。
1作目の『黒猫の三角』で見事騙されたので気をつけて読んでいたのに、(気をつけてはいたけれど、もう終わったと思って油断もしていたかもしれない)、また騙されたーー!

読んでいて思ったのだけれど、このシリーズはミステリ云々よりも人間関係ややりとりが面白いのかもしれないなーと。
S&Mの『笑わない数学者』を再読した後だったので、トリックもわかったらいいなー!とかすかに思いつつ読んでいたけれど、まーわからんわからん。
しかも、心理的な意味で解決しないんだよね。
どこかモヤモヤを残して、いや、考察する余地を残して終わる。
そういうところ好きだけれど、今回にしろ、わたしはその点を長く思考して時間を費やしたくないな、と思ってしまって。
なんだろう。
きっと衝動とか宗教とか思いとか人間関係とか、動機って様々なのはわかるの。何かひとつのことが動機となるわけではなく、いろんな糸が絡まってひとつの結果となることも、一般的に理解できない信条で至る結果も。
森作品て、TVで報道されるような、一般受けするような動機の犯人が、少ない気がする。

理解できなくて当たり前。
そういうところがしっくりくるし、小説としてモヤモヤするのかも。


最後の一言ね。うん。




うーーん、ちゃんと文章になっているかしら




以下ネタバレ ・・? 



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017『 アンダスタンド・メイビー』〈上〉〈下〉
まず島本理生さんの作品で上下巻なのにも驚いたし、内容にも驚いた。
今までちょっと距離感のある恋愛小説が多いイメージだったのだけれど、今作は(恋愛も絡むけれども)なんというかもっとドロドロした部分がクローズアップされているというか。

さらっとレビューを見ていて同じ感想を持った方がいらっしゃったのだけれど、ちょっとつっぱった子と付き合ったり遊んでレイプされたり自傷行為に走ったり、ケータイ小説か!と思うところもあった。(ケータイ小説を勘違いしているかもしれないけれど)

主人公の黒江は確かに不遇な点がとても多いのだけれど、なんだかそつなく、いつもその瞬間助けてくれる存在がいて(黒江が気付くかどうかはともかく)、それがほとんど男性だったことに、リアリティを感じました。
母との関係とか、ちょっとしたことで離れてく友だちとか、父とか、女の子たちの輪が苦手なところとか、ファンレターを書いたら返事をくれた人とか、彼氏とか、彼氏じゃない人とか…少しずつ自分と似ていて、わたしは結構共感して読めてしまった。
あとね、黒江がカメラの世界に興味を持つところが好きでした。

島本理生さんぽくない小説で、苦手な人も多いだろうな、とは思うのだけれど、わたしは奇跡的に共通点が多くて楽しめました。

(あと、エッセイ読んでいたからわかるのだけれど、この小説に出てくる男性たちは、島本理生さんの男性観も入ってるんじゃないかな、と感じた。)
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